今回紹介するのはルイスレザーのサイクロンっていうモデルなんですが、素材がベジタブルタンニンカウハイドというレザーを使用しております。まだ流通も少ないので、気になっている方も多いのではないでしょうか。ついに入荷しましたので、紹介していこうと思います。
ベジタブルタンニンカウハイドの一番の特徴
2020年の1月から販売されている新素材、ベジタブルタンニンカウハイド。なんと言ってもその特徴は茶芯のレザーになっているんですね。これだけでテンション上がっちゃいますよね!
ベジタブルタンニンカウハイドっていう名前の通りですね、フルベジタブルタンニンで鞣された、上質なイタリアンカウハイドを使用しております。サイクロンやライトニングだったり、現行のジャケットを全てこのベジタブルタンニンカウハイドでオーダーすることが可能です。ただこのベジタブルタンニンカウハイドにすると、他のレザーを選ぶよりちょっと値段が上がってしまいます。追加で7万円かかります。高い…ですか…ね?(2021年時点)
茶芯っていうのは表面がブラックですが内側が茶色いレザーになっていて、レザーの内部まで染色が染み込んでおらず、中が茶色になったままのレザーのことを言います。レザー好きの間で結構人気があるレザーで使用していくにつれて、この染色した黒い部分が薄くなってくるんですよね。そうすることによってこの染色した部分が茶色く出てきて、それが味わい深い経年変化っていう所で人気が高い訳なんですね。
ベジタブルタンニンって何?
ベジタブルタンニンカウハイドのベジタブルタンニンって何?っていうことなんですけれども、これに関してはレザーの鞣し(なめし)方ですね。レザーの製造方法についての分類になるんですけれども、レザーを作る時に原料である動物の「皮」ですね。「皮」から製品に使うための「革」にする作業。これを「鞣し」といいます。
この鞣しの工程っていうのが、大きく分けると2つに分類されるんですね。その2つっていうのが、塩基性硫酸クロムっていう薬品でレザーを鞣すクロム鞣しっていうものと、植物由来のタンニンで鞣す伝統的な製法であるベジタブルタンニン鞣しですね。この鞣し方によって風合いとか特性の異なるレザーに仕上がっていきます。
それぞれメリットとデメリットもございまして、クロム鞣しのメリットとしては、結構水に強いことが挙げられます。レザーっていうのが基本的に水にはあまり強くない素材ではあるんですけれども、このクロム鞣しっていう方法で製造することによって少しだけ水に強いレザーに仕上がります。シミになり辛かったりもするので、比較的メンテナンスに手間のかからないレザーになっています。あとはコストですね。薬品で短期間で鞣していくので、比較的安価に製造する出来ます(もちろん高級なクロム鞣しのレザーもありますが)。
ただデメリットの方もやっぱりありまして、薬品で鞣すという事になるのでしっかりとした設備でないと環境汚染に繋がってしまうんですよね。そういったデメリットもあります。耐久性が強いってところもあるんですけれど、その半面、表裏一体の部分にはなるんですが経年変化のスピードとか変化量っていう所は、あまり大きくはないレザーになっております。
ベジタブルタンニン鞣しのレザーなんですけれども、メリットとしてはやっぱりレザーの風合いの良さっていう所にあります。使えば使う程どんどん光沢が増えたりとか色の変化があったりとか。そういったレザーを育てる楽しみっていうのが特徴の一つです。
ただデメリットとしては伝統的な製法で時間をかけてゆっくり鞣していくので、コストと手間がかかってしまいます。なので比較的に値段が高くなりがちなレザーです。あとはクロム鞣しとは逆で、耐久性といったところではちょっと弱くなっていて、濡れたまま放置したりするとすぐシミになってしまったり。経年変化が大きく出やすい分、水濡れしてしまったりですとか、引っ掻いてしまったりとか、耐久性としてはクロム鞣しに比べるとやや劣るレザーになっております。
あとは、コンビ鞣しっていうベジタブルタンニン鞣しとクロム鞣しを併せた製造方法もあるんですが、やっぱり一長一短で、風合いを取ればダメージが出てしまったりっていう風になるので、鞣し方の違いによるレザーの種類っていうのは使用用途やスタイルに合わせて選んでいくのが良いと思います。
実際に着用してみました
今回用意できたのがサイクロンのサイズ36です。まず感じたのはこれ匂いが全然違うんですよ!ベジタブルタンニン鞣しだからだと思うんですけれども、他の革質違ってかなり匂いが強いですね。レザー特有の香ばしい匂いというか、そしてこれがまた良い!
やっぱりカウハイドなんで重量はあります。表面のこの光沢具合っていうのは、どっちかっていうとホースハイドに近い光沢があるんですけれども、ボコボコ感っていうか、このレザーがフラットじゃなくて乱反射する感じっていうか。カウハイドとかホースハイドとかってねこんなにボコボコしていない。シープスキンのシボともまた違うボコボコ。こういうのがまさにこのベジタブルタンニンカウハイドの特徴なのかなっていう風に思います。ヴィンテージライクな感じに仕上がってますよね。
これが着込んでいった時に裾の部分やヘリ返しの部分が色落ちしてきたり、袖の部分とか、ポケットの部分にアタリとかそういうのでどんどん色が薄くなってきたりとか茶芯の部分が浮き上がってきて、味わいの深い経年変化になっていくっていうのが魅力ですよね。
硬さでいうとホースハイドより硬いかもしれないですね。ゴワゴワっていう感じです。ただこれは直ぐ馴染むと思います。ベジタブルタンニン鞣しの方が経年変化のスピードが速くなるのでホースハイドより早く馴染んでくれるんじゃないかと思います。
着用時の注意点
着て行く上での注意点としては、外で着るときに雨に打たれてしまったりとか、そういった時にしっかりメンテナンスしてあげないと濡れたときに雨染みとか、それに伴って色移りっていうのが心配な部分はあるので、まず雨には打たれないようにした方がいいと思います。
雨に濡れてしまった場合でもすぐに拭きとってドライヤーなんかでは乾かさないで、陰干ししてゆっくり乾かしてやる。結局はやっぱり着て行くのが一番のメンテナンスになるので、長期保管とかで乾燥してしまった場合には、クリームやオイルなんかでしっかりメンテナンスしてあげることが重要です。どんどん可愛がって可愛がって、メンテナンス含めて育てて楽しむレザージャケットなのかなと感じました。
ルイスレザーの買取はどこにも負けません!
今回ご紹介したサイクロンに限らず、ライトニング、ドミネーターなど当店では様々なモデルを取り扱っております。今まで培った経験や知識を生かし、全国最高クラスの買取金額をお約束いたします!中古品のお品物でも大歓迎!是非お気軽にお問い合わせくださいませ。
YouTubeにて随時情報を更新中
毎週水曜日にYouTubeにて様々な情報を更新中です。商品の紹介、真贋や細かい商品知識などを更新しておりますので気になる方は是非ご覧ください。